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チューク環礁の東端にパラダイスアイランドというきれいな無人島がある。
広大な砂地の環礁上に、潮流の作用で出来た砂浜だけの無人島だ。

私がチュークに住んでからの38年間で、3回の消滅と復活劇を演じてきた。
全く同じ場所に全く同じような砂の島が誕生する。
そうして、5、6年を掛けて緑の島に成長する。
そしてまた1夜の嵐で島が消滅する。
そんな島の誕生と消滅を何度も目にし、今度が3回目のパラダイスアイランドの誕生である。

実は、この台風の直前にパラダイスアイランドを訪ねる機会を得た。
3回目の復活を果たした砂浜の上には、少しずつ緑が濃くなっており、10種類の植物が砂地の上に根を張っていた。
流れ着いた椰子の実からも、20個ほどが芽を出している。

これからどれだけ大きくなるか、、、椰子の木は根付くだろうか、、、
島の半年後、1年後に想いを馳せて、パラダイスアイランドを後にした。

その翌日、パラダイスアイランドの真上を、風速72mの狂風が襲った。
果たして、パラダイスアイランドは今も残っているだろうか・・・。
この2年間で2mほどに成長した3本の木は今も無事だろか・・・。

1週間前に見たパラダイスアイランドの白い砂浜と小さな木々がまぶたに去来する。

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熱帯の島でも時々、寒く感じる時がある。

朝から嵐に見舞われ、太陽が顔を出さない時には、とても肌寒い。
海に出ていても凍えそうになることがある。
早くうちに帰って熱いコーヒーを飲みたい!!
と、切に願う時でもある(^O^)

そんな時には現地の人達も、ジャンバーや防寒具に身を包んで寒さをしのいでいる。
それでも寒暖計はせいぜい24~25度前後だ。
日中が35度近くにもなるチューク地方では、体感温度が一気に10度近くも下がるため、25度でもとても寒く感じてしまうのだ。

そして、今日は特に寒い1日だった。
温度はなんとナント、、、摂氏21度!!!!

私の30年以上に及ぶチュークの生活でもあまり覚えが無い。
10日ほど前から太陽は顔を出さず、連日豪雨混じりの雨の日が続いている。
今日も1日、間断なく降り続く雨が夜まで止むことはなかった。

世界各地で発生している異常気象。
この4~5年来、チューク地方でも従来の天候が狂い始めている。
地球の姿が少しづつ変わり始めたのかもしれない。

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チューク諸島の9月~10月は1年のうちで最も気候が安定する時期だ。
海はなめらかで、水面には島影や白い離れ雲が鑑のように映っている。

ところが今年はそんな通説もどこへやら、連日大荒れの毎日が続いている。
気象衛星が捉えたミクロネシア地方の上空には、西はフィリピン東部から東はマーシャル諸島まで、なんと4000キロにわたって嵐の雲が覆い尽くしている。
そこからのれん分けした熱帯低気圧は台風となって、虎視眈々と日本を窺っている。

この調子だとまだまだしばらくは回復しそうにない。
チュークの一番いい時期を狙ってやってきた観光客も、連日の大荒れの天候に言葉もない状態である。

10年に一度あるか無いかの大当たりを食らい、悪天候に振り回されたあるご夫婦のコメント、、、

『帰ったらすぐに宝くじを買おう!!』

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この度の巨大地震による、被災者の方達、お亡くなりになられた方達、すべての方達に、心からお悔みとお見舞い申し上げます。

地震発生の数時間後、太平洋諸地域も、津波の襲来を予想し、大変な混乱に見舞われました。

先のスマトラ沖地震、そして、三陸地方に空前の津波被害をもたらしたかつてのチリ津波地震。

過去の教訓から、ミクロネシア地方も即座に厳戒態勢がひかれました。

私達の住むここチュークでも、ホテルに滞在する全ての観光客は、港の後方高台にあるチューク病院に非難しました。

そして私は、この千載一遇のチャンスを見逃してなるものかと、ホテルの桟橋に駆けつけ、地球史に残るような巨大地震による津波観測を行いました。

周りは無謀ではないかとの意見もありましたが、私には私なりの安全確信がありました。
チュークは、周囲200キロに及ぶ環礁に囲まれています。
いわば、巨大な、強固な防波堤に囲まれているようなものです。
津波の波とその波のエネルギーは、アウトリーフの環礁で一端破壊され、環礁内に流れ込んできます。

震源地に近い場合ならともかくとして、日本から4500キロ離れたこのチュークでは、かなり津波のエネルギーも弱くなっています。しかも、過去の事例からも、かつての言い伝えや、観測データ―からも、おそらく2mを超える事はないだろうと予測していました。
もし、2、3mの津波が来ても、環礁内では、いわゆる、津波としての巨大波ではなく、海水面が静かに上下する、と踏んでいました。ただし、万一の場合に備えての準備は怠りなくやっていました。
観測ポイントのすぐ傍に、頑丈なコンクリート製のシャワー施設があり、その屋上に飛びあがれば、3mの津波(海面上昇)があっても問題ありません。念のためにライフジャケットも付けていましたし、しかもこの夜は新月明けの干潮にあたっていましたから、1mくらいの海面上では、大潮時の満潮と同じくらいにしかなりません。

チュークへの津波到着予定は、現地時間で午後8時34分。
その10分ほど前に、ホテルの桟橋に、自作の観測バーを取り付けました。
観測バーを桟橋に固定した時、すでに海面上昇は始まっていました。
津波による海面上昇であることは明らかでした。
その後の5分間で一気に20センチメートルの上昇が見られました。
ただし、津波を連想する『波』ではなく、予想した通りの静かな海面上昇でした。

その後、海面は急激に下がり始め、ホテルの照明に照らし出された海岸は、見る見るうちに後退を始めました。
まるで、津波の映画を見ているようでした。
15分間で-75センチメートル、ホテルのビーチは一気に広がり、沖合の珊瑚礁が次々と姿を現し始めました。

『大津波は、急激な引き潮の後にやって来る』と云うのは、津波の常識です。
その前に海面上昇があったのがちょっとひっかかりはあったものの、この現象は、大津波の前兆かもしれないと思い、
ホテルのフロントに居残っていたスタッフに注意を呼びかけました。

私は観測ポイントにとって返し、詳細に観測を続けました。
心配は徒労に終わりました。
海面上昇後の急激な引き潮は、津波が去って行く時の引き潮であることがその後の観測で判りました。

結局、今回の津波による海面上昇は40センチ、最大干満は、80センチメートル、という観測結果を得ることが出来ました。

東京の大使館に勤める長男(邦雄)にこの観測結果を報告し、ホテルにも、非公式ではありましたが、自分の見解で安全を伝えました。

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今年の夏は、とうとう天候不順で終わってしまった。
トラック(チューク)環礁は、北緯7度位に位置し、6月~10月は貿易風も落ち着いて、例年海が静かになる。ところが今年は、当初から天候が落ち着かず、静かなはずの夏場もずっと荒れ通しだった。

普段はめったに吹かない西風、北風の連続で、きれいな環礁の島々もビーチは濁ってしまい、せっかくいらしたお客様も南の島の美しさを充分味わうことができなかった。
突発的な雷雨に見舞われることが多く、そのたびに小さな島の中は水浸しになってしまった。
一昨日もほぼ12時間、ゲリラ豪雨に見舞われて御覧の通りである。
5~6年前のエルニーニョの時と同じだ
島に水が潤うのは結構なことなのだが、島を訪れる観光客にとっては大変気の毒なシーズンだった。

エルニーニョが暴れていいのは、楽天イーグルスのエルニーニョ打線だけかもしれない。
今年は楽天日本一を夢見て、天候不順の憂さを吹き飛ばしたい!!

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年が替わって早2月。
12月から吹き荒れている貿易風は、2月になってからも休まることなく海は連日荒れに荒れている。
丁度、日本の寒さが一番厳しくなるのと同じ様に、チュークの海は今が一番荒れる時期でもある。
そんな2月だが、密かに楽しみにしている事もある。
南十字星だ。2月の声を聞くと、夜半の空に南十字星が上がり始める。
去年の秋、地球の裏側に隠れてしまった南十字星は、約半年後の2月またチュークの夜空に輝きはじめる。満月に月々の推移を感じるように、南十字星は年の移り変わりを感じさせてくれる星座である。
そして、2月になって南十字星が輝き始めるのに合わせて、一斉に咲き始める花がある。
南の島に春を告げる南洋桜やカポックの綿毛がまだ蕾を膨らませているこの頃、この名も無い花は、見事にまさにあっという間に花を開花させる。
まるで、『ほら、南十字星が見え始めてきたよ!』と教えてくれるかのようだ。
南十字星の登場に合わせて、一瞬咲き誇るこの花の事はいつも気になっているのだが、いまだその名前すら知らない。『花の命は短くて忘れる事のみ多かりき』花なのである。
今年は、この花の美しいうちに何とか名前を知っておきたいと思っている。

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昨夜から降り始めた雨は、まるでバケツをひっくり返したような豪雨で、今朝になってもその勢いは止まらず、よくぞこれほどの水の量が天から降ってくるものだと感心してしまう程である。折からの秋の高潮が続く中、山から溢れた出た雨水は、道路や庭先にまで浸水し、島中を水の世界に変えてしまった。
今から5年前、50人以上もの死者を出した未曾有の大豪雨を思い出させる程であった。幸い夕方には雨も小振りになり、今は時々思い出したように降っているだけだ。豪雨の合間、すかさず水溜りで遊ぶ子供達。その傍では、これも元気に大きな牛ガエル達が飛び跳ねていた。明日の朝、島は瑞々しい緑に覆われているに違いない。

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チューク諸島周辺の海域では、竜巻を見かける事が良くある。
竜巻は熱帯低気圧や嵐の右手前方で発生しやすいと言われている。
チューク諸島の海は正に熱帯低気圧(台風の卵)の供給地で、海に出ているとよくこの熱帯低気圧の小さなものによく出くわす。洋上はるか暗雲が垂れ込め、見る間に直径100キロ以上の大きな嵐の雲に覆われてしまう。
先週のとある日、環礁の北側で釣りをしている時、この熱帯低気圧に襲われた。
東側から沸きあがってくる嵐の雲はあっという間に環礁全体を覆い、我々の行く手をさえぎってしまった。そしてその嵐の雲の右手前方には大きな竜巻が渦巻き始めている。やがて見る見るうちに渦の先端は洋上に達し、海面からしぶきを巻き上げ始めた。竜巻の発生から消滅までおよそ20分位の出来事であった。
竜巻の消滅を合図に、我々も腰を上げた。躊躇していると、我々のいる環礁北部も嵐に巻き込まれてしまう。暗黒の嵐の雲に向ってボートを走らせる。めざすモエン島はあの嵐の真っ只中にある。
10分も走ると周りは全く何も見えなくなってしまった。
ボートオペレーターを怒鳴り散らしながらナビゲートする。
そして、1時間後、凍える体でやっと無事港に到着した。

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