常夏の島にも春があるのだろうか・・・・。
3月~4月が北半球の春ならば、北緯7度のチューク諸島はやはり春である。
1年中が常夏の熱帯の島ではあるが、気をつけてよく見ていると随所に春の季節を感じる事ができる。
3月~4月が北半球の春ならば、北緯7度のチューク諸島はやはり春である。
1年中が常夏の熱帯の島ではあるが、気をつけてよく見ていると随所に春の季節を感じる事ができる。
その筆頭が、南洋桜であろう。
3月、日本に桜情報が聞かれ始める頃、それに呼応したかのように赤い大きな花を枝一面に、一気に咲かせ始める。それ故、かつて南の島々にいた日本人達に『南洋桜』として親しまれた花だ。ただし、本家本元のか弱い桜と違い、情熱的な真っ赤な花を半年間にも亘って咲かせ続けていく。南洋桜が咲き始めた頃に感じる春の季節は、この花の最盛期には灼熱の夏の季節に突入している。この南洋桜がか弱い可憐な花でなく、情熱的な真っ赤な花であることが何となく実感できようと言うものだ。
南の島は、春も情熱的だ。
南洋桜の蕾が次々に膨らみ、赤い花を咲かせ始める頃、マンゴーの木の枝先には沢山のかわいいマンゴーが鈴なりになってくる。そして4月ともなると、赤みをさして美味しそうに熟れたマンゴーが枝もたわわにぶら下がっている。大きなマンゴーの木の下に行けばいつでも熟れたマンゴーが落ちている。ローカル市場では、どの売り場にもマンゴーが山と積まれている。この時期になると道行く人達の殆どがマンゴーをかじっている。そして子供達のポケットはいつもマンゴーで膨れている。マンゴーは南の島に春の到来を告げる数少ない果物である。
チューク諸島の3月はまだまだ貿易風が強く、この風は4月頃まで続いている。
ここチュークの春は、貿易風の吹き荒れる最後の季節でもある。そしてこの春の貿易風は、南の島に1つの風物詩を見せてくれる。
3月、日本に桜情報が聞かれ始める頃、それに呼応したかのように赤い大きな花を枝一面に、一気に咲かせ始める。それ故、かつて南の島々にいた日本人達に『南洋桜』として親しまれた花だ。ただし、本家本元のか弱い桜と違い、情熱的な真っ赤な花を半年間にも亘って咲かせ続けていく。南洋桜が咲き始めた頃に感じる春の季節は、この花の最盛期には灼熱の夏の季節に突入している。この南洋桜がか弱い可憐な花でなく、情熱的な真っ赤な花であることが何となく実感できようと言うものだ。
南の島は、春も情熱的だ。
ここチュークの春は、貿易風の吹き荒れる最後の季節でもある。そしてこの春の貿易風は、南の島に1つの風物詩を見せてくれる。
春の澄み切った青空に、時として雪ならぬ純白の綿が舞い始める。
手のひらほどもある大きな物から、正に小雪がちらつくような小さな物まで、様々な大きさの綿雪が春の空に舞っている。どこから飛んでくるのか、かなりの高空を大小の白い綿毛がふわふわと風に乗って流れてゆく。ふと下を見ると、路上一面に、あるいは草むらに白い花が咲くように、純白の羽毛が積もっていたりする。
『カポック』と呼ばれる綿の木の花である。
チューク環礁の大きな島々には、このカポックの木が随所に見られる。熱帯のジャングルでも一際大きな背の高いこの木はどこからでも眺められる。そして3月の声を聞くと一斉に白い大きな花を咲かせる。この花が綿雪の正体だ。手のひらに乗せても全く重さは感じない。とたんに柔らかい温もりがてのひらに広がってゆくのを感じる。それもそのはずで、どんな物体よりも浮力に優れ、断熱効果に優れている。ジャングルの木々の間から大きく顔を出し、白い綿毛の中に小さな種を包み込み、青空を浮遊する。
南洋桜が報せる真っ赤に燃える情熱的な春。
その圧倒的な春の中に柔らかい春の季節を感じさせてくれる綿雪。
巨木を覆い尽くす純白の綿の花に春の到来を感じ、青空に舞う綿雪に行く春を想う・・・。
手のひらほどもある大きな物から、正に小雪がちらつくような小さな物まで、様々な大きさの綿雪が春の空に舞っている。どこから飛んでくるのか、かなりの高空を大小の白い綿毛がふわふわと風に乗って流れてゆく。ふと下を見ると、路上一面に、あるいは草むらに白い花が咲くように、純白の羽毛が積もっていたりする。
『カポック』と呼ばれる綿の木の花である。
チューク環礁の大きな島々には、このカポックの木が随所に見られる。熱帯のジャングルでも一際大きな背の高いこの木はどこからでも眺められる。そして3月の声を聞くと一斉に白い大きな花を咲かせる。この花が綿雪の正体だ。手のひらに乗せても全く重さは感じない。とたんに柔らかい温もりがてのひらに広がってゆくのを感じる。それもそのはずで、どんな物体よりも浮力に優れ、断熱効果に優れている。ジャングルの木々の間から大きく顔を出し、白い綿毛の中に小さな種を包み込み、青空を浮遊する。
その圧倒的な春の中に柔らかい春の季節を感じさせてくれる綿雪。
巨木を覆い尽くす純白の綿の花に春の到来を感じ、青空に舞う綿雪に行く春を想う・・・。