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チュークの有識者たちの中から原点回帰の運動が始まった。

現在、チュークからは多くの出稼ぎ者が海外(グアム、ハワイ、アメリカ本土)に移住し、色んな側面から島の経済を支えている。
そして、伝統的な島社会の中にあって、若者たちを中心に現代社会の大きなうねりが押し寄せている。
そんな社会の変貌ぶりに危惧を唱える有識者達の中から、『自然に帰ろう』という呼びかけが始まった。

チュークは他のミクロネシアの島々に比べてより豊富な自然・食料に恵まれている。
多くの人達が伝統的な食生活を中心に、今も自給自足の生活を謳歌している。

神が与えてくれたそんな自然に感謝して生きて行こう。
文明社会から侵入してくるお酒や暴力を無くし、自然に満ちた生活を送ろう、と彼らは訴える。

この日のセレモニーには、州知事をはじめ、政府の有力者たち、婦人団体や一般の賛同者なども多数集まり
盛大な催しとなった。
お昼の会食には、ストアーからの輸入品の類は全く無く、チュークの伝統的な食べ物がずらりと並べられた。
お水は椰子にとって代わり、お肉は豚の石焼、そして沢山の魚、ライスに代わりパンの実やタロイモ、
おやつにはタピオカやクッキングバナナ、数々のフルーツなど、盛り沢山だ。

若者たちも数多く参加したこの運動、果たしてどのような方向を辿るのか、ちょっと興味が湧いてくる。