イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

シス島を出発してチューク本島・モエン島のホテルに到着したジェームス一家。
それを見て、ホテルの人達が怪訝そうな顔をしている。
それもそのはず、ブルーラグーンリゾートは世界中からやってくるダイバー憧れのホテル。
そんなホテルに英語も話せない離島の家族がチェックインしたのだ。
私と一緒にチェックインしたので、ホテルの人達も気にはなるが何となく納得はしている様子・・・。

そしていよいよチューク出発の空港カウンター。

空港で出会う知り合いの誰もが、ジェームス一家に、『あんたちどっかに行くの?』
『グアムに行くの?』と話しかけてくる。

『サパン!(日本)』と、ジェームス。

『何!・・・サパン!!??』
『本当はどこに行くの・・・?』

『サパン!!』『この人たちと一緒にサパンに行く!』とジェームス。

取材班の日本人と親しげにしているジェームス一家を見て、やっと納得した顔を見せる現地人たち。
でも不思議で不思議でたまらない。
『どうしてあんたちがサパンに・・・!?』

シス島を午後に出発して2日目の朝10時、日本の土を踏む
本で見た事もTVで見た事もない想像すらできない日本と言う世界。。。
平安・室町時代の離島の人達が現代の東京にいきなりタイムスリップしてきたと思って頂きたい。

此の世の果てまで果てしなく続く建物ばかりの世界。
4日目、伊豆の温泉巡りに出発。
しばらく車で走ると、遠くに山々が見えてきた。
すかさずジェームスが質問する。
『あそこもサパンか?』
大きな川を渡る。
『これも海か?』
人口250人・家屋は30軒ほど、滑走路1本分の広さしかない小さな小さな世界からやってきたジェームス一家の真面目な真剣な質問だ。

食べたいものは? の質問に、何度でも『ライス!』と答える4人。
彼らの頭には日本食と言う知識や概念は全くない。
とにかくお米を食べたい。

動物園でオウムと対峙した茶目っ気たっぷりの妻・フェリーサ。
かわいい顔をしたオウムに、思わず『コンニチハ!』
『コンニチワ!』と、すかさずオウム君。
これにはさすがのフェリーサも驚き、『ハッハッハー!!』と大笑い。
そしてまた『ハッハッハー!!』とオウム君!!
もうフェリーサの笑いは止まらない。
オウム君と楽しい笑いのひと時が続く。

八王子の木田さん宅に宿泊していた家族。
同い年のお嬢さんと意気投合、大の仲良しになった。

お嬢さんの可愛いピンクのパジャマを借りていた娘のジェイミーは、朝になっても、出発時間になっても、なかなか自分の服に着替えない。
通訳が、『ジェイミー、もう出発するから早く服を着替えて!』
『イラーチョク!(構わない・気にしない)』と一言、ジェイミー。
余程そのパジャマが気に入ったらしくて、ロケにもそのまま。
結局1日中パジャマを脱ぐ事はなかった。

彼らには水着とかパジャマとかと言う概念は全くない。
気に入ったものは気に入ったで構わないのだ。
彼らの世界は何もかもが、『イラーチョク!』である。

私もチュークに住んで早30年・・・。
イラーチョクな世界ほど楽なものはない。