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チュークの人達のお金の扱いはとても丁寧とは言えない。
大体がいい加減で乱雑である。

お店での支払いや、人にお金を渡す時も、クシャクシャになったお札を、ポーンと放り投げる。
別段怒っているのでもない。
そういう習慣なのだ。
お金に限らず、物を渡す時、タバコを人に上げる時などもそうである。
全員がそうだというわけでもないが、大方そんな風に乱雑にお金を扱う。

きちんとした教育や躾を受けていないところから来ると思われるが、
お金がクシャクシャだったり粗雑に扱うのには、もう一つの理由がある。

普段、彼らは財布を持ち歩いていない。
と言うか、財布などはとても贅沢品で一般の人達にそんなには普及していないのだ。

ではどこにお金を入れるか・・・。
ポケットがあればポケットに無造作にねじ込む。
では、ポケットが無い場合はどうするのか・・・。

男の服装には通常ポケットが付いているが、そうでない場合もある。
フンドシ姿の場合だ。
チュークの離島の人達の中にはまだまだフンドシ姿の人達も沢山見受ける。
そんな時彼らは、フンドシの中がポケットとなる。
日本のフンドシと違い、長いフンドシ布を何回も腰に巻く。
その布の間がポケットとなるわけだ。
彼らのフンドシポケットの中には、お金、たばこ、ビンロージュ、マッチにライター、ハンカチなど
男の身だしなみに必要な品々が所狭しと入っているのだ。

では女はどうか・・・。
チュークの女の服装は、通常はポケットが無い。
ストアーのレジで、やおら胸に手を突っ込み、チチバンド(チューク語)の中からクシャクシャになったお札を
ポーンと放り投げている光景を良く目にする。
そう、ハンドバッグを持たない彼女たちのポケットはチチバンドなのだ!

ではチチバンドをしていない場合はどうするのか???

今日、銀行の前で決定的な瞬間を見てしまった!

チューク独特のスカートをはいた30歳くらいの女性が銀行から出てきた。
車の中で妻を待っていた私のすぐ前でその光景は起こった。
女の手には幾ばくかのお札が握られていた。
女は、スカートを整えるかのように両手をスカートの中に入れ、モゾモゾッと動かした。
スカートから出てきた手にはお札は消えていた。

誓って言うが、そこには引田天功の姿もアメリカンのマジシャンの姿もなかった。

お札はどこに消えてしまったのか??

いつも話には聞いていたが、目の前でその事実に出会ったのは初めてであった。

チュークの人達には、100円商品の財布もバッグも、ましてや、ルイヴィトンのお財布もハンドバックも全く無用の長物なのだ!!

そしてもう一言いうならば、一般島民ならずとも、高貴なお役人サンや議員サン達の中には、
もっともっと得体のしれない大きなポケットを持っているお方がいらっしゃるのだ。