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3月・・・、日本では日ごとに暖かくなり、随所で春を告げる催しが聞え、山野には春を告げる花々が咲き始めている事だろう。

北緯7度の熱帯の島・チューク諸島には、春夏秋冬の区別も無く一年中30℃を超す毎日で、四季の区別もほとんど無い。

しかし、観光客には同じように見える熱帯の島にも、実は季節の移ろいを感じさせるものがいくつかある。

2月から3月・・・、カポックと呼ばれる大きな樹に一斉に白い綿の花が咲き、南国の空を飛び交い始める。

そのカポックの綿が大きく膨らみ始める前、白とピンクの花火のような大きな花が、わずか数日のうちに木の枝の末端まで咲き乱れる。

白い綿雪が青空を舞い、花火の花が咲き乱れるころ、やがて島々のあちこちで南洋桜と呼ばれる真っ赤なド派手な花が次々と咲き始める。

南の島の春の到来だ。

北緯7度の南の島に、春の到来を告げるもう1つの使者がいる。

それは、南十字星だ。

花火の花が咲き、綿雪が空を舞い始める2月中旬、まだ誰も見る事も無い夜半の空に少しづつ形を整えながら人知れず姿を見せ始める。
そして、南洋桜が真っ赤に染まる3月中旬、南の水平線上にくっきりと輝く4つの星を眺める事が出来る。

花々が南十字星の到来を告げ、南十字星が島人達に春本番を教えてくれる。

今宵この時間、我が家の南の空には天の南極を指し示す南十字星が煌々と輝いている。

ー 春や春、春爛漫の十字星 -