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写真の案内書は、『品評会』の案内である。

チューク語で『キンピョウカイ』と言う。
日本時代の名残だ。

ミクロネシア短期大学チューク校舎で、その品評会が催されるという案内である。
『キンピョウカイ』と聞いて、以前の盛大な品評会の様子がすぐに頭に浮かんできた。

私がチュークに来て間もない頃、毎年、夏になると島のグランドで大規模な品評会が行われていた。
グランドいっぱいに展示場が広がり、海産物、農産物、工芸品、民芸品、はては、豚やニワトリまでがその対象となった。

1枝に400本も500本も成っているバナナの木や、1本がビール瓶ほどもあるキングバナナ、
バナナだけでも10種類以上の様々なバナナがズラーと並んでいた。
竜宮城から出てきたような巨大なウミガメがお腹を上にして何十匹も並んでいた。
巨大なパンの実・パパイヤ・椰子の実、等々・・・。

民俗学者が泣いて喜ぶような、見事な民芸品と工芸品の数々。。。

会場の周りは出店がいっぱいで、何千人もの島人達で賑わった。

そしてメーンイベントは、広い会場に放たれた豚とニワトリ・・・、
子ブタもいれば、かわいいひよ子もいる。
捕まえればすべて自分のものなる!

大人も子供も必死になって追いかけた。

そんな懐かしい情景を浮かべながら、『キンピョウカイ』の会場に行ってみた。
9時からの案内を、1時間遅らせて行ってみた。
少しでも遅いほうが、物品が多く集まっているかも知れない、、、そんな淡い期待もあった。

と こ ろ が 、、、

会場に入る前、道路から覗いても何も無い。
案の定、中に入っても、かつての光景の100分の1も無い。

これでは、毎日の市場を覗いた方がまだましである。

どうしてこのようになってしまったのか。。。
何とも言えない寂しさが込上げてくる。。。

チュークを去る前に、もう一度あの祭りの中に身をゆだねたい、、、心からそう思った。