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トラック環礁にデュブロン島と言う島がある。
かつて30年間に亘る日本時代の中心だった島だ。日本名を『夏島』と言った。
島には陸海軍の大きな基地が設けられ、街が開けていた。
その島の中ほどに、大きな入り江があり、その入り江を南北につなぐ橋がかかっている。日本時代に作られた橋で、『チョンチョン橋』と呼んでいる。

チョンチョン、とは、当時の海軍の隠語でセックスを意味する。
よく言う『チョンの間』と言うのは、正にそんな部屋の事だ。
なぜこの橋にそんな名前を付けたのか・・・・。
当時の島の様子を見るとよくわかる。

島の南側には、軍港があり街が開けていた。
そして入り江をはさんだ北側には、艦隊司令部や大きな遊郭がいくつもあった。街中にも、料亭・割烹はじめ、女性を置いているお店がたくさんあり、当時、夏島だけで、そのような女性が800人以上いたという記録が残っている。

港に上陸した兵隊たちは、街で遊んだあと、この橋を渡り遊郭に繰り出した。
この橋を渡れば、目の前には遊郭が並んでいる。
いつしか誰ともなく、この橋を“チョンチョン橋”と呼ぶようになった。
そうして今にその名が伝えられ、アメリカのガイドブックなどにも、そのまま『CHONCHONBASHI』と記されている。

当時、港に上陸する兵隊たちには、軍部から1通の小さな封筒が手渡されていた。その封筒には、『突撃一番』と刻印されていた。
そしてなんと、その中には1個のコンドームが入っていた。
事に及んでは、必ずこれを使用するようにとのお達しであった。
性病防止策である。
ところが、兵隊によっては、このような突撃を好まぬ者もいた。
当然、『突撃一番』がダブついてくる。
そこで、上陸を前にして、ダブついた『突撃一番』の争奪戦が繰り広げられるのである。

かつて、生死をかけた血気盛んな若者たちが突撃して行った、もう一つの戦いであった。

先週、とある戦跡めぐりの一団を夏島にご案内した。
そのおり、チョンチョン橋を訪れそのいきさつをご説明したところ、いたくお気に入りで、ぜひとも、ブログで紹介してほしいと言う。
かくして、『突撃一番』が本邦初公開と相成った訳である。

江刺さん、アガタさん、ご覧になりましたか!!!