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もう30年以上も前の事である。
10月になるといつも、運動会でもないある催し事が行われていた。
それは2日間に亘って行われた。
島中の人たちが集まり、家畜や農作物、民芸品、などが広いグランドに所狭しと並べられ、屋台も出て、とても賑やかで華やいだお祭りだった。

子豚やニワトリをグランドに放し、追いかけて捕まえれば自分のものになる。
ヤンヤの喝采の中、大人も子供も必死になって子豚やニワトリを追いかけ廻した。
民芸品はそのまますぐれた工芸品で、観光客には素晴らしい土産品となった。
珍しい果物や野菜も多く、そのほとんどがビックリするほど巨大なものばかりだった。

これは日本時代に行われていた『品評会』を踏襲したもので、戦後も長く続けられていたのである。
チューク語でもこのお祭りを『ヒンピョウカイ』と呼んでいた。『ヒンピョウカイ』は、30年間の日本統治時代の古き良き、楽しいお祭りだったのである。

その『ヒンピョウカイ』でとても懐かしい思い出がある。
当時、日本から来たばかりの私には、パパイヤと言う果物がとても珍しく、大好物でもあった。
そしてそこにあるパパイヤたるや、絵本や写真で見るパパイヤとは似ても似つかぬ巨大な果物だった。
それを格安の値段で買ってきては、毎日・毎日、飽きもせず食べていたものである。

その『ヒンピョウカイ』も無くなった今、市場を物色していた私の目に、懐かしい巨大パパイヤが目に飛び込んできた。
ヒンピョウカイに出ていたものは、もっともっと大きかったように思ったが、これはもう買うしかない!
さっそく購入して家に持ち帰った。
妻のかほるもこのパパイヤにはぞっこんで、今日か明日かと、熟れるのを一日千秋の想いで眺めていたものである。
お客様にもおすそ分けして、ほぼ1週間、巨大パパイヤを堪能した。