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3月に入り、日本では春一番が吹く季節となった。
ここ南の島ではさすがに日本の春一番を思わせるような突風は吹かないが、
その替わり、南の島に春の到来を告げる『春一番』の花の便りが島中を彩(いろどり)はじめている。
かつて、南の島に住んだ日本人たちが、『南洋桜』と呼んだ真っ赤な花だ。
ご覧の通りの真っ赤な花が、炎のように樹木全体を覆い尽くす。
別名・火炎樹と言われる所以である。
よく見ると、満開の花びらのそばには次々と固いつぼみが出ていて、春から夏に向かうこれからの半年間、休むことなく島人たちの目を楽しませてくれる。