イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11

イメージ 12

私は、チュークに住み始めて、少しばかりの貝殻の収集を行っている。
長崎県の対馬で生まれ育った私は、小さい頃から貝殻には少なからず興味を抱いていた。
私が子供の頃、父が『拾い集めた美』と称して、欠けた貝殻を集めては楽しんでいたのを思い出す。
ここチュークには、子供のころに見た図鑑の貝がそのままに砂浜や海に中に転がっている。
今日、ご紹介する貝たちは、私が長年チュークに住んで拾い集めた美の一部である。
そしてそれは、30年に及ぶ私のチュークでの軌跡でもある。

今日はその中でも、もっともポピュラーなタカラガイ達をご紹介しよう。

まず最初は『ナンヨウタカラガイ』
『南洋宝貝』とも言われるこの貝は、その名の通り、かつて南の島の酋長たちの持つべき貝としてとても重宝されたものである。今でも、アメリカの貝コレクターの中でも最も人気のある貝の一つで、いいものはなんと、1個・4千ドル~5千ドルで取引されているという。
英語ではその名も『ゴールデンカウリー』・金の宝貝、である。
カウリーとは、英語でタカラガイのことを言う。

次は、『ムラクモダカラガイ』
タカラガイの中でも最も大きな貝の1つで、写真のサンプルも12センチを超える。
殻の模様が、いかにも雲の沸き立つ感じで、ムラクモダカラ、とはその形容から名付けられた。
英語名は、トートイスカウリーで、亀の甲羅を意味する。

そして『ウミウサギガイ』
真っ白なウサギが体を丸めた恰好からこの名がある。
純白の貝殻の内側は、外観からは想像もできない黒一色である。
生きているときには、殻全体を黒い外套膜で覆い尽くしていて、とても白い貝とは思えない。
英語名は、エッグカウリー、卵のことである。

次は、『ホシダカラガイ』
満天に散らばる星空を思い起こさせる貝だ。
この貝もタカラガイの中では大型に入る。
大型のタカラガイの中では最もポピュラーな貝でもある。
かつてヨーロッパの芸術復興の華やかしころ、マンボウガイと並んで、『カメオ』の材料としても
重宝された貝である。
英語名は、タイガーカウリー、トラの模様を思い起こさせる。

次は、『ジャノメダカラガイ』
昔懐かしい蛇の目傘を思い浮かべる。
貝とは思えない独特の模様である。
英語名は、アイドカウリー、たくさんの目がある、というような名前である。
ここにきて、日本名と同じ発想の命名となっている。
洋の東西を問わず、この独特の模様には、同じ発想しか思い浮かばなかったようだ。

そして、『ハチジョウダカラガイ』
かつて、八丈島でよく採れたとろからこの名がある。
別名『子安ダカラ』とも言い安産のお守りとして、古くから重宝がられてきた。
この貝の裏側は、他のタカラガイと違ってぺったんこで、とても座りがよく安定している。
そんなところから、この貝を妊産婦に握らせておくと安産すると言われてきた。
英語名は、ハンプバックカウリー、
殻がこんもり盛りあがっているところから、せむし男を連想するらしい。

次は、『タルダカラガイ』
見るからにレトロな木樽を連想する貝ではないか。
ところがこれが、英語だと、モーレカウリー、モグラ貝となる。
万宝貝(マンボウガイ)を、ブルドッグの口、と付けたりしてアメリカ人にはどうもロマンが無い。

次は、『ハラダカラガイ』
漢字では『原宝貝』。この貝の模様からは、どうにも発想がわかない。
どういう根拠で原宝とつけたのか理解に苦しむところである。
そこにいくと、今度は英語名は奮っている。
その名も、マップカウリー、地図宝貝である。
まさに地図のような模様が殻全体を覆っているのがわかる。
モグラガイの汚名挽回である。

次は、『キイロダカラガイ』
古代より、世界中で貨幣として使用されてきた貝だ。
そもそもこの手の貝が、宝貝、と呼ばれるようになったのも、キロダカラガイなどが貨幣として利用されたことに由来する。
東シナ海の海底に眠るかつての帆船からは、今もなお、おびただしい量のキイロタカラガイが発見されている。世界中で流通していた名残である。ニューギニアでは今もなお通貨として利用されている。
英語名もそのまま、マネーカウリー、である。
さすがは世界のアメリカ、よく把握している!!

次は、『チドリダカラガイ』の仲間達。
宝貝は通常は外套膜を殻全体に覆って成長する。
そのため、どのタカラガイも外殻はツルツルとした光沢を持っている。
ところが、このチドリタカラガイの仲間たちは、殻にブツブツとしたイボイボを持っている。
他のタカラガイが5~10センチと大きいのに対して、ほとんどが1センチ前後の小さいものばかりである。英語名は、シックピーカウリー、マメ貝とでも言おうか・・・。

そして次が、その小さな宝貝の仲間たち。
中央に座るのが、あの、ゴールデンカウリー(金の宝貝)である。
このゴールデンカウリーの大きさが8~9センチメートル、あとはご想像にお任せする。

最後に、大きな宝貝の仲間たち。
この中には、ゴールデンカウリー程ではないにしろ、とても貴重な貝が隠れている。

今日、ご紹介した、『タカラガイ』の仲間たちだが、日本ではおよそ75種類が確認されている。
ちなみに、私が収集しているタカラガイは、約45種類・400個以上にも及ぶ。
また近いうちに、そのほかの貝たちもご紹介していこうと思っています。

タカラガイの世界、お楽しみいただけましたでしょうか。。。。