イメージ 1

イメージ 2

チューク地方ではまだ殆どの家が自給自足の生活で、どの家でも炊事は野外で薪を燃やして行なっている。ヤカン一杯のお湯を沸かすのも、魚を1匹焼くのにも薪である。昔は石を熱く焼いて行なう石焼料理が主流であったが、現在では、鍋、釜などの食器がどの家にも普及している。特にパンの実やタロイモ、タピオカなどのイモ類を大量に煮る時には、大きな釜が必要となる。そんな中で非常にユニークな釜を時々見かける事がある。戦争の武器だ。陸上や水中に敷設されていた機雷もその1つで、鉄製の機雷の蓋が丈夫な鍋として今もいたるところで使われている。そしてもう1つ、極めつけは、探照灯である。地上から高空を照らすあのサーチライトだ。この直径1.5m程の巨大な鍋状の蓋は、機雷の蓋と共に彼らにとっては絶好の釜として愛用されている。市販の鍋や釜は数年で壊れてしまうが、この機雷と探照灯の蓋は、終戦後からの60年間、まったく壊れる事も無く毎日彼らに食糧を提供し続けている。