イメージ 1

チューク諸島周辺の海域では、竜巻を見かける事が良くある。
竜巻は熱帯低気圧や嵐の右手前方で発生しやすいと言われている。
チューク諸島の海は正に熱帯低気圧(台風の卵)の供給地で、海に出ているとよくこの熱帯低気圧の小さなものによく出くわす。洋上はるか暗雲が垂れ込め、見る間に直径100キロ以上の大きな嵐の雲に覆われてしまう。
先週のとある日、環礁の北側で釣りをしている時、この熱帯低気圧に襲われた。
東側から沸きあがってくる嵐の雲はあっという間に環礁全体を覆い、我々の行く手をさえぎってしまった。そしてその嵐の雲の右手前方には大きな竜巻が渦巻き始めている。やがて見る見るうちに渦の先端は洋上に達し、海面からしぶきを巻き上げ始めた。竜巻の発生から消滅までおよそ20分位の出来事であった。
竜巻の消滅を合図に、我々も腰を上げた。躊躇していると、我々のいる環礁北部も嵐に巻き込まれてしまう。暗黒の嵐の雲に向ってボートを走らせる。めざすモエン島はあの嵐の真っ只中にある。
10分も走ると周りは全く何も見えなくなってしまった。
ボートオペレーターを怒鳴り散らしながらナビゲートする。
そして、1時間後、凍える体でやっと無事港に到着した。