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動物の少ないチューク諸島では、海亀は島人達にとってとても身近な動物の一種である。
海亀を主人公にした物語も数多く伝えられている。
そんな昔話の中で、海岸に穴を掘る海亀の話がある。
チューク諸島内の島々には海亀が掘ったとされる洞窟が数多く存在する。
Pata島(木曜島)にトンネル状の大きな海食洞穴がある。
急峻な海岸の山を貫く洞穴で、島人達の便利な交通路ともなっている。
現地の人達はこの穴を『亀の家』と呼び、海亀が掘った穴だと信じている。
海亀がどのようにしてこの穴を掘ったかと言う昔話が、今も子供達に語り継がれている。

Udot島(月曜島)の海岸に、1対の洞窟がある。
日本時代に造られた、人間魚雷『回天』の発射基地だ。
建設当時は機密扱いとされていて、現地人はおろか日本人にも殆ど知られてはいなかった。
とある日、この回天の基地を日本人に説明していると、現地人のボートオペレーター殿が、
私に宣(のた)もうた。
『末永、この穴は何の穴か知ってるか?』
『ん? 何の穴だ』
『この穴はずーっと昔に海亀が掘った穴だよ!』