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ウィティポン山の山容と頂上から見下ろす景観の素晴らしさについては、前回のブログですでに皆さんにお伝えしたばかりだが、実はこの山には、もう一つの隠された顔がある。日本時代、竜王山と呼ばれていたこの山の山頂付近には、第一級の戦跡が残されている。
海抜標高280mのこの山は、東側の海岸から頂上まで、なだらかな斜面が続く溶岩台地になっている。
日本の統治時代には、海岸から頂上まで軍用道路が続きその道路沿いには、日本軍の様々な基地が設けられていた。頂上まで広がる草原の周囲は、断崖絶壁となっており、絶好の砦となっている。
そこには今も尚、数多くの高射砲や大砲が当時の姿そのままに空をにらんでいる。
この山頂には、海軍の高射砲陣地があり、当時250人の兵隊達が2年半に亘って駐屯していたのである。
山頂に向う3つの草原には当時の道路跡が巨大な蛇のように山腹をうねっているのがわかる。
草に隠れた壕があちこちに散在し、注意しないとうっかり壕の中に転落したりする。
岩盤を刳り貫いた弾薬庫や防空壕。
崖の壕から海をにらむ大砲。
今しも火を噴きそうに空をにらむ高射砲の数々。
あたかも取り付け途中と思われる、草原に横たわる真新しい砲身。
草原から顔を出し空をにらむ砲身を見ていると、今にも日本兵が飛び出してきそうな錯覚におそわれる。60年前の激戦の模様を彷彿とさせる光景だ。