ミクロネシア連邦チューク州に於いて、現在、厚労省における沈船からの遺骨収集作業が行われている。太平洋戦争でアメリカ軍の空襲によりチューク(トラック島)環礁内には40隻にのぼる艦船群が沈められ、今も当時のままに海底に横たわっている。そんな沈船の1つ愛国丸(1万500トン)は、停泊中にアメリカ軍の猛爆撃を受け800名を乗せたまま轟沈した悲劇の艦船だ。40年前に380柱の遺骨を回収したまま、多くの遺骨を船内に残したまま今に至っている。今回の遺骨収集はこの愛国丸が対象だ。50~60mを超える水深、大破した真っ暗闇の迷路のような船内、そんな中での収集作業は困難を極め、連日命を賭しての潜水作業となっている。遺骨収集作業もすでに2週間が過ぎ、余すところあと2日のみ。無事に作業が終える事を祈りつつもまた、船内奥深くに数多く残されているご遺骨が少しでも早く祖国に戻れることを願う。
(掲載記事は、本日・6月25日、讀賣新聞朝刊)加藤さん記事