2016年09月

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周囲220キロの広大なチューク環礁には、約100個の島々がある。
その中で人が住んでいる島は20島、他は全て無人島である。

写真のシャークアイランドもその1つで、数あるチュークの無人島の中でも海・島の綺麗さではトップクラスに位置する。
ダイビングやシュノーケリング、写真撮影にと、日本人観光客にもとても人気の無人島だ。
そんなシャークアイランドだが、唯一の難点は上陸がとても難しいことだ。
周りをサンゴが埋め尽くし、丸い小さな島の周りはいつも瀬波が海岸を洗っている。
そのためにボートが波打ち際まで入っていけず、泳いで上陸することも難しい。

先週、無人島撮影のお客様がいらっしゃって、しかも海も凪いでいたので久しぶりにシャークアイランドに上陸する事が出来た。
しばらく上陸していない無人島やビーチには、長い間に波に洗われて綺麗な貝殻やサンゴがそこかしこに転がっている。
お昼の休憩もそこそこに、早速、小さな島を一周してみた。
2~3歩歩く度に、まるで拾ってもらうのを待ってたかのように、貝殻がそこかしこに転がっている。

素敵な可愛い海からの贈り物だ。

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四季の変化をほとんど感じる事の無い南の島に住んでいると、日本の季節や情緒が無性に懐かしく感じられてくる時がある。
雪景色や紅葉、新緑や夏の風情など、日本の変化に富んだ自然は、南の島に住む我々にとって、心の隙間を埋めてくれる楽しい思い出の時間だ。

南の島ではおよそ感じる事の出来ない、日本独特の〝 わび・さび ″もまた同様で、時々そのような感情の波に包まれることがある。そんな時には、ささやかな庭いじりをしたり、好きな貝やサンゴをいじったりしてごまかしている。

そして今日、お蔵入りしていたサンゴを取り出した。
大きさが10センチにも満たないかわいい樹サンゴ(ヤギ類)の仲間だ。
アウトリーフの波の荒い岩陰にのみ生息するサンゴで、人の目に留まることはほとんどない。
このサンゴに私は勝手に『ヒメサンゴ』と名付けている。
かわいい〝姫″と人の目に留まることない〝秘″を掛けたネーミングである。
このヒメサンゴが大好きで、チャンスがあれば少しづつ集めている。
サンゴの砂を使って、ヒメサンゴ盆栽を作るのが目的だった。

仕事も一段落した日曜日。
妻と2人、古ぼけた日本人の情緒を振り絞って作ったのが、写真の『ヒメサンゴ盆栽』だ。
殺風景な家の中で、わずかばかり日本の風情をかもし出してくれる。

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チュークには、パンダナス(タコの木)の葉っぱで作った伝統的なゴザがある。
どの家にも何枚もあり、丁度、日本のゴザと同じように使用されている。

このパンダナスのゴザに替わり、最近ユニークなゴザ(マット)が登場した。
米袋を何枚にも繋いだもので、軽く丈夫で防水と、南の島での使用にはもってこいの代物である。
しかも、お米を買う値段はあるものの、ゴザとしての材料費はタダ!

一時は、バッグや帽子などファッション系に愛用されていたものが、最近はゴザやマット、部屋の間仕切りなど、
家庭内や公共の場で様々な用途に使用されている。

正に究極のエコ製品である。

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先週行われたサイパンウオーターリゾートの応募テストで、晴れて6名の合格者が決定した。

早速合格者に連絡すべく電話を掛けるが1人として連絡が付かない。
と言うか、電話が通じない・機能していないのだ。
掛けた電話全てが携帯電話である。

チュークには、人が住んでいる島が40島程あるが、本島の一部分を除いて、電気も水道も道路もお店もない世界だ。
そんな世界に突如として携帯電話が普及し始めた。
ただし誰も電話代などは支払わないので、すべてがプリペイ式だ。
テレホンカードを買って番号をインプットしなければ電話としての機能は無い。
使いたかったら先にお金を払え! って訳だ。
しかし目先の1ドルにも苦労している人たちだから、まともにカードを買って使える状態にしている人はマレである。
しかも今回連絡したほとんどの家庭には電気もない。
充電する事が出来ないのだ。

それやこれやで、チュークの人たちの携帯電話はまともに通じたことは無い。
用事があって携帯電話に掛けて通じた時には本当にホッとする。
政府の役人や議員たちでもこんな調子である。

今回の合格者のほとんどがこのような人達で、携帯はあっても通じない。

さあ、どうして合格者に連絡を取るか・・・。
ここはもう歩いて会いに行くしかない。
山の集落の入り口に車を留め、道なき山へのハイキングだ。
現地人の案内人を先導に、人1人やっと通れるほどの草ぼうぼうのジャングの小道を、
ひたすら歩く。人里晴れた山奥の家。断崖絶壁にある家
そんなことを事を何度か繰り返し、半日かけてやっと全員への連絡を終えた。

そして彼らの半数はパスポートを持たない。
出生証明から始まり、年金手続き、無犯罪証明、写真撮影、公文書作成、そしてやっとの事でパスポート申請に至る。
全員を集めて2日掛かりでこれらの手続きを行う。
パソポート申請が終わった彼らの表情は生き生きとしている。
ジャングルの村々をいでて、行先はサイパンの高級リゾートのライフガードだ!
夢が膨らむ。
ジャングルの中の家で会った家族の人たちの表情も一様に明るい。
新たな仕事に付ける喜びを皆で喜んでいるようだ。

パスポートの完了が待ち遠しい。

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