2014年02月

イメージ 1

熱帯の島でも時々、寒く感じる時がある。

朝から嵐に見舞われ、太陽が顔を出さない時には、とても肌寒い。
海に出ていても凍えそうになることがある。
早くうちに帰って熱いコーヒーを飲みたい!!
と、切に願う時でもある(^O^)

そんな時には現地の人達も、ジャンバーや防寒具に身を包んで寒さをしのいでいる。
それでも寒暖計はせいぜい24~25度前後だ。
日中が35度近くにもなるチューク地方では、体感温度が一気に10度近くも下がるため、25度でもとても寒く感じてしまうのだ。

そして、今日は特に寒い1日だった。
温度はなんとナント、、、摂氏21度!!!!

私の30年以上に及ぶチュークの生活でもあまり覚えが無い。
10日ほど前から太陽は顔を出さず、連日豪雨混じりの雨の日が続いている。
今日も1日、間断なく降り続く雨が夜まで止むことはなかった。

世界各地で発生している異常気象。
この4~5年来、チューク地方でも従来の天候が狂い始めている。
地球の姿が少しづつ変わり始めたのかもしれない。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

1944年2月17日、18日の両日、トラック島(チューク)はアメリカ軍機動部隊による未曾有の大空襲を受けた。
航空母艦11隻をはじめとして、70隻に及ぶアメリカ大艦隊がトラック環礁を取り巻いた。
わずか2日間の攻撃で、80隻に及ぶ艦船が海の藻屑と消えた。
陸上の軍施設はことごとくが廃墟と化した。
1万人以上の日本人が犠牲となった。

そして70年後の今日・2月17日、ミクロネシア連邦大統領、アメリカ・日本の両国大使列席の元、現地政府によるトラック大空襲の記念式典が厳かに執り行われた。

来賓のスピーチの後、兵士たちが眠る海に花束が献花される。

現地の子供たちによる献歌と演奏。
『君が代』斉唱に目頭が熱くなる。

この戦争の悲惨さは、これからも絶えることなく伝えていかねばならない。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

戦前の日本の運動会の姿を今に伝えるチュークの運動会は、島を上げてのお祭りで、島人達の最も楽しいイベントの1つである。
大会当日の朝には、港からグランドまでの1キロの道のりを団歌や応援歌を歌いながら行進する。
沿道の人たちや行き交う車の中からも声援が上がる。
各チームがグランドに結集した頃には、すでに観客もいっぱいで、いやが上にもボルテージは上がる。

大会は雨天決行だ。悪天候ほど彼らは興奮する。
誰が勝つか負けるか予想のつかない展開は、好戦的な彼らのもっとも好むところだ。
『ウンドウカイ』をかくも熱狂的な闘争の場とする根源は、彼ら自身の民族の血から来るものである。
 平和な社会になった今、彼らの闘争民族の血をぶつけるものはスポーツを置いて他に無い。

かつての闘争のはけ口を失った彼らが日本時代に遭遇した運動会は、恰好の戦いの姿だったのかもしれない。
パプアニューギニアに今も残るシングシングの祭り。彼らもまた、闘争民族の血を発散させるために、この戦闘のダンスを今に伝えている。

彼らの闘争本能を存分に受け入れ、発散させる『ウンドウカイ』は、彼らの血を受け継ぐ恰好のお祭りだとも言えよう。

ガンバレ! チュークの戦士達!

イメージ 1

イメージ 2

チューク地方の運動会の起源は、遠く日本時代にさかのぼる。
第一次世界大戦後の1914年(大正3年)末期、グアムを除く全ミクロネシアは、日本統治となり、南洋防備隊司令部がトラック諸島・夏島に置かれた。
直後には各種運動施設を含む総合グランドが夏島の中心地に造営された。
以後、太平洋戦争の終わるまでの30年間に亘って、軍隊、民間、現地人の区別なく盛んに運動会が催された。

そう、現在チューク地方で行われている運動会は、その殆どが日本時代の運動会のスタイルを補習したものなのである。
島の村々は全て、1組(イチクミ)から5組(ゴクミ)まで分けられ、組み対抗(村対抗)で行われる。
ユニフォームや団旗には、ICHIKUMI、NIKUMI、SANNKUMI ~~とあり、
スタートの合図がヨーイドンで、ゴールはイットウ、ニトウ、サントウである。
応援はオウエン、頑張れはガンバレ、体操はタイソウ、駆け足はカケアシ、と今でもそのまま日本語が使われている。
種目に至っては、レンゴウ(連合リレー・小さい子供から大人までのリレー)
コンゴー(混合リレー・男女混合のリレー)
ムカデ(ムカデ競争)、ウンパン(荷物を運ぶ競争)、サンダン(三段跳び)
ハバトビ(幅跳び)、ホウガン(砲丸投げ)、キバセン(騎馬戦)などなど、当時の懐かしい競技がそのままの呼び名で行われている。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

今は、ソチオリンピックたけなわ。
世界のウインタースポーツの祭典が行われる直前の先週末、ここ南の島は、正に熱い闘いが行われていた。
ミクロネシアはチューク諸島の運動会だ。

今年は3年に一度のミクロネシア・オリンピックの年。
ミクロネシア連邦の首都・ポナペで、7月19日~29日までの10日間に亘って熱い戦いが繰り広げられる。
グアム、サイパン(北マリアナ連邦)、パラオ、マーシャル、ナウル、キリバス、そして、ご当地、ミクロネシア連邦と、全ミクロネシアの国と地方が参加する、3年に一度の南の島のスポーツの祭典だ。

今回は、ミクロネシア連邦で開催されることから、
連邦内の各州(ポナペ州、ヤップ州、コスラエ州、チューク州)からも、独自の選手団(チーム)が送られる。

先週末に行われたのは、その選手選考会を兼ねたチューク予選だったわけだ。
オリンピックに出れるとあって、男女ともに熱の入った競技が繰り広げられた。

今日から3日間に亘って南の島の運動会の様子をお届けしよう。

↑このページのトップヘ