2013年11月

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8月の末、NHKのよるポンナップ島のTVロケが行われた。
ポンナップ島に伝わる伝統的な航海術を取材するためだ。

ポンナップ島には、伝統的な外洋航海帆走カヌーが10隻ほど現存している。
これらのカヌーは島人達の重要な移動手段として、あるいは漁などにと、今も変わらず使用されている。

島のあちこちに、カヌー小屋と呼ばれる椰子の葉葺きの大きな小屋がある。
通常は海に浮かべているカヌーも、使用しない時や手入れを要する時には
このカヌー小屋に収納される。

羅針盤や磁石を使用せず、古来から伝わる伝統的な航海術が今も受け継がれており、
ポンナップにはこのような航海術を伝承する『ポ』と呼ばれる儀式がある。

この航海術を会得した者には『ポ』の称号が与えられ、その儀式もまた『ポ』と呼ばれている。
半年前から準備をし、島中全ての人達が参加して4日間に亘って行われるとても神聖な、盛大なお祭りだ。

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チューク本島から遠く離れたポンナップ島。
たまにやってくるチャーター船以外には、チューク本島とを結ぶ連絡手段は無い。
島の人達の生活は、今もほとんどが自給自足だ。
パンの実やタロイモ、バナナなどの食べ物はもちろん、様々な生活道具やカヌーなども自らの手で作り出す。
何もかもが自給自足の世界だ。

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タロイモやパンの実、バナナなどを主食とする島人達の最も大切な副食は魚介類である。
小さな島ながら四方を海に囲まれたポンナップには豊富な海の幸がある。
通常は各家庭で思い思いに漁をして日々の糧としている。

チューク環礁から遠く離れたここポンナップ島ではガソリンはとても貴重で高価なものだ。
日常の沿岸での漁には、ほとんどがカヌーを使用するケースが多い。
したがって、エンジン付きのモーターボートを使用するのは島の催し事がある時や特殊な場合に限られる。

ところが、島を挙げての行事や、平時でも村長の命令一下、大掛かりな漁を行う事が良くある。
このような時は島中の男たちが総出で、島中のカヌーとモーターボートが動員される。
そして水揚げされた魚は、全ての島人達に平等に振り分けられる。
島では、家族構成がきちんと把握されており、小さな子供も大人も分け隔てなく人数割で配分される。
大昔から生きてきた島人達の大事な習慣でありみんなが強く生きて行く為の知恵でもある。

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ポンナップ島の代表的な作物は、パンの実とタロイモである。
この2つが島の食生活の根幹をなしている。
そしてこの作物に限って、その扱いに男と女の区別がはっきりとなされている。
男はパンの実、女はタロイモである。

パンの木を手入れし、パンの実の収穫し、パンの実の料理を行うのは全てが男の仕事である。
対して、タロイモ畑を手入れし、タロイモを収穫し、タロイモを料理するのはこれまたすべてが女の仕事となっている。
お互いの領分に入るのは固く禁じられている。

通常、チューク環礁の島々では、タロイモに関しても男たちの仕事とされている。
田んぼの中に入り、苗を手入れし、タロイモを育てるのはとても手間のかかる仕事だ。
ましてやぬかるみの田んぼの中で、大きな芋を掘り出すのは大変な重労働でもある。

ポンナップ島でタロイモが女性の仕事として行われているのには訳がある。
その昔、何も無かったポンナップの島に女の神様がタロイモを持ってきた。
タロイモは丁寧に育てなければなかなかいいものに育たない。
それには女の丁寧さ優しさが一番いいのだそうな。
遠来の客を浜辺で迎えるのは女達の仕事であり、女達は丹精込めて育てたタロイモを客に投げつけて歓迎する習わしがある。

そうしてポンナップの女たちは今も大事にタロイモを育て、愛情をこめて料理をしている。

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ポンナップ島は小さいながらもれっきとした1個の自治体である。
行政的には、ミクロネシア連邦・チューク州・ポンナップ島となる。

島には、選挙で選ばれた村長(メイヤー)がいる。
州政府の管轄で、中央政府からの行政指導に当たる。
実は島にはもう一人の村長が存在する。
伝統的な村長(サモーン)である。
サモーンは大昔からの島の代表的な家系から選ばれる。
島の伝統的な催し事や日常のしきたりなど、慣習上の政(まつりごと)は、全てこのサモーンが取り仕切る。
サモーンは選挙で選ばれた村長(メイヤー)の上に位する。

そして、この2人の村長の上にもう一人の支配者が君臨する。
チーフと呼ばれる島の支配者だ。
ひとたびチーフに選ばれたものは死ぬまでその職を全うする。
彼の権力・権限は絶対で、島の全てを取り仕切る。
何人もチーフに逆らう事は出来ない。
当然、それなりの家系の人格者が選ばれる。

島の登録人口は1200人。
その中の約400人が海外(グアム、ハワイ、アメリカ本土)に住んでおり、あとの400人はチューク本島に住んでいる。
そして残り400人がポンナップ島で暮らしている。
彼らの生活を支えているのは、椰子の実とタロイモ、パンの実、そして海の幸だ。
次回からは、そんなポンナップの食生活について紹介しよう。

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チュークの西方400キロの太平洋上にポンナップ島(PULAP)と言う島がある。
長さ1.5キロ、幅は1キロにも満たない島に400人の人達が暮らしている。
チューク本島からの定期船は無い。
年に数度、不定期の連絡船や教会等のチャーター船がやってくるだけだ。

産業と言えるものは無い。
ほとんどの人達が自給自足の生活だ。
砂地の土壌に育つ植物は限られている。
島で採れる作物は、椰子の実、パンの実、タロイモ、バナナ、パパイヤ、だけだ。
ポンナップ島には、他の島では廃れてしまった海洋民族としての誇り高い文化がある。
そして彼らは、伝統文化の価値を良く理解し、その保存と継承に島を挙げて努めている。
明日から1週間に亘り、ポンナップ島の暮らしと文化をお伝えしよう。

注)PULAPと書いてポンナップ、と発音する。

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