トラック島には、かつて日本軍の一大基地があった。
その中心となった島は、夏島と呼ばれた。
面積はわずか9平方キロ、小笠原・父島の半分ほどの面積しかない。
その島の殆どに軍事基地が設けられ、島そのものが強固な要塞と化していた。
そして戦争以前、トラック島にはたくさんの日本人が移り住み、夏島は日本統治時代の中心都市の1つとして栄えていた。70年も80年も前、すでに夏島には多くの公官庁をはじめ、バス会社やタクシー会社、映画館や各種専門店、料亭・割烹、レストランなどが軒を連ねていた。
その中心となった島は、夏島と呼ばれた。
面積はわずか9平方キロ、小笠原・父島の半分ほどの面積しかない。
その島の殆どに軍事基地が設けられ、島そのものが強固な要塞と化していた。
そして戦争以前、トラック島にはたくさんの日本人が移り住み、夏島は日本統治時代の中心都市の1つとして栄えていた。70年も80年も前、すでに夏島には多くの公官庁をはじめ、バス会社やタクシー会社、映画館や各種専門店、料亭・割烹、レストランなどが軒を連ねていた。
『雨が降っても全然平気だったよ!』
『お店がずっと並んでいたからね!』
当時を知る老人たちの言葉である。
『お店がずっと並んでいたからね!』
当時を知る老人たちの言葉である。
そして、今日、そんな老人の1人に会った。
友人に依頼されていた、当時の街並みの復元図作成のためである。
終戦から65年、当時の街並みも基地の跡も今はジャングルの中に埋もれ、
当時を知る老人達はとんど居なくなってしまった。
友人に依頼されていた、当時の街並みの復元図作成のためである。
終戦から65年、当時の街並みも基地の跡も今はジャングルの中に埋もれ、
当時を知る老人達はとんど居なくなってしまった。
そんな中で、現地人としては奇跡的に元気な老人がいる。
私の30年来の友人でもある彼は、84歳の今でも足腰もしっかりしていて、
何よりも(これが驚くべきことなのだが)頭も全くボケていない。
『ヌーカス、あんたはスケベーだからなあ~、だから元気なんだよ!』
彼と会うたびにそんな冗談を交わしている。
私の30年来の友人でもある彼は、84歳の今でも足腰もしっかりしていて、
何よりも(これが驚くべきことなのだが)頭も全くボケていない。
『ヌーカス、あんたはスケベーだからなあ~、だから元気なんだよ!』
彼と会うたびにそんな冗談を交わしている。
かれは、港のストアーに入り、日本食コナーで、缶入りのおしるこを買った。
店員の女がヌーカスに話している。
『ヌーカス、これなーに?』
『なんだ、おまえは店員のくせにこの飲み物を知らないのか?』
ヌーカスは得意げに昔の話を交えながら、『おしるこ』のなんたるかを、若い女店員に説明している。
店員の女がヌーカスに話している。
『ヌーカス、これなーに?』
『なんだ、おまえは店員のくせにこの飲み物を知らないのか?』
ヌーカスは得意げに昔の話を交えながら、『おしるこ』のなんたるかを、若い女店員に説明している。
彼は、かつての日本時代の中心だった夏島の出身である。
『私はね、春島に来るといつもこのおしるこ買うんですよ』
そしてこのおしるこの缶は、夏島に持って帰ってゆっくり味会うのだという。
『私はね、春島に来るといつもこのおしるこ買うんですよ』
そしてこのおしるこの缶は、夏島に持って帰ってゆっくり味会うのだという。
1時間ほど当時の町の事を話し合い、彼を港まで送って行った。
・・・・元気でいろよ、ヌーカス!
あんたにはまだまだ聞きたいことが山ほどある。。。