2009年05月

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トラック島には、かつて日本軍の一大基地があった。
その中心となった島は、夏島と呼ばれた。
面積はわずか9平方キロ、小笠原・父島の半分ほどの面積しかない。
その島の殆どに軍事基地が設けられ、島そのものが強固な要塞と化していた。
そして戦争以前、トラック島にはたくさんの日本人が移り住み、夏島は日本統治時代の中心都市の1つとして栄えていた。70年も80年も前、すでに夏島には多くの公官庁をはじめ、バス会社やタクシー会社、映画館や各種専門店、料亭・割烹、レストランなどが軒を連ねていた。

『雨が降っても全然平気だったよ!』
『お店がずっと並んでいたからね!』
当時を知る老人たちの言葉である。

そして、今日、そんな老人の1人に会った。
友人に依頼されていた、当時の街並みの復元図作成のためである。
終戦から65年、当時の街並みも基地の跡も今はジャングルの中に埋もれ、
当時を知る老人達はとんど居なくなってしまった。

そんな中で、現地人としては奇跡的に元気な老人がいる。
私の30年来の友人でもある彼は、84歳の今でも足腰もしっかりしていて、
何よりも(これが驚くべきことなのだが)頭も全くボケていない。
『ヌーカス、あんたはスケベーだからなあ~、だから元気なんだよ!』
彼と会うたびにそんな冗談を交わしている。

かれは、港のストアーに入り、日本食コナーで、缶入りのおしるこを買った。
店員の女がヌーカスに話している。
『ヌーカス、これなーに?』
『なんだ、おまえは店員のくせにこの飲み物を知らないのか?』
ヌーカスは得意げに昔の話を交えながら、『おしるこ』のなんたるかを、若い女店員に説明している。

彼は、かつての日本時代の中心だった夏島の出身である。
『私はね、春島に来るといつもこのおしるこ買うんですよ』
そしてこのおしるこの缶は、夏島に持って帰ってゆっくり味会うのだという。

1時間ほど当時の町の事を話し合い、彼を港まで送って行った。

・・・・元気でいろよ、ヌーカス!

あんたにはまだまだ聞きたいことが山ほどある。。。

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現地人が『アップル』と呼んでいるリンゴに似た果物がある。
通称『マウンティンアップル』と言い、円錐形をした、拳半分くらいの大きさの赤い実である。
他にもこの半分くらいの大きさの実を付ける木もある。
写真にある木は、大きな実の方で、年に2回実をつける。
方や小さい方の実は、なんと1年に3回も実を付けるうれしい果物なのである。
味は、やはりリンゴに似ていて、ちょっと酸味の強い甘酸っぱい味がする。
小さい方の実はとても酸味が強いが、大きな方の実は適度な甘さもあって、結構いける。

皮も剥かずにそのまま、ガブッとかじるのがこのアップルの食べ方である。
とてもジューシーで、甘酸っぱい味と香りが口いっぱいに広がる。
アイスクーラーの中でこのアップルを冷やして、海で食べるととてもうまい!

例年、釣りにやって来る友人の中で、このアップルの大ファンが居て、彼は日本を出る前に必ずこれをリクエストしてくる。1日中大物と格闘して疲れた体に、このよく冷えたマウンティンアップルを食べると、のどの渇きをいやしてくれると同時に、適度な甘酸っぱさが体に元気がを与えてくれる。

料理好きな私は、時々、南国の果物を使ってジャムを作る。
以前、友人宅でこのアップルで作ったピザを食べた事がある。
それがとても美味しくて、その時以来このアップルでジャムを作ってみようと言う事がいつも頭にあった。先日、市場を覗いていると、赤く熟れたマウンティンアップルが山積されて売っていた。

『よし、これでジャムを作ってみよう。』
以前から考えていたアイデアを早速実行に移してみる。
最初と言うこともあってちょっと柔らかめの仕上がりだったが、味は上々で、思った通りのジャムが出来上がった。トーストとの相性も良く、自作のヨーグルトにも合いそうだ。
これでまた、私の好きなジャムが1つ増えた。

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今年は大好きなアボガドを毎日楽しんでいる。
もとより果物の大好きな私は、南国の果物を食べる度に、
『自分で栽培して食べれたらいいのになあ・・・』と、いつもそんな事を考えているが、
ホテルの借家住まいの身としては、それもなかなか出来かねて、いつもため息をついている事が多い。

過去にも何度か果物の苗を借家の周りに植えたことはあるが、心無いいたずらや、動物達の遊び道具と化して、ことごとく失敗している。そして去年の今頃、やはり同じ気持ちで、美味しいアボガドを食べた時、さほど期待もせずに畑の隅っこに1個のアボガドの種を植えた。忘れかけていた頃、その種は青い元気な芽を出し、見る見るうちに大きな葉っぱを増やしていった。
『よし、このアボガドの苗を育てて実を成らせてみよう!』
そう思って、早速大きめの植木鉢に移植して、今日まで大事に育ててきた。
そして昨日、再び移植して、今度は植木鉢から大地にその根を包み終えたところである。

友人の話ではなんと実をつけるまで、7~8年はかかると言う。
ほとんどの熱帯の果物が数年で実をつけると言うのに、なんとまた気の長い話ではあるが、
それだけ長い間楽しみがあると思へば、それもまた悪くはないだろう。
これから毎年、この時期を迎える度に、成長していくアボガドの木を眺めていくのが楽しみだ。

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アメリカでは6月から8月までの3ケ月間が夏休みになり、その休み前の5月が卒業のシーズンとなる。
ここチューク地方でもその例にもれず、島々は今まさに卒業式のオンパレードと言ったところだ。
幼稚園から高校まで、毎週末になるといつもどこかでにぎやかに卒業式が行われている。

中でも、モエン島にあるザビエル高校の卒業式は島を巻き込んでの感がある。
戦後間もなく、日本時代の通信隊基地を利用して開校したこの高校は、ミクロネシア随一の学校で、
パラオ、ヤップ、ポナペ、コスラエ、マーシャルなどミクロネシア各地から生徒がやって来る。
国外から来た生徒たちは、現地のホストファミリーの家にステイして4年間を家族同様に過ごす事となる。
そして、卒業ともなると、そんな生徒たちの父兄や友人たちが、卒業式の1週間ほど前から飛行機を乗り継いでチュークに集まって来る。卒業式を前にして、早くも現地のホストファミリーの家では、遠来の友を迎えて連日パーティーが繰り広げられる。
そして卒業式。
家族や友人、ホストファミリーの面々が学校に馳せ参じ、卒業生1人1人に祝福の言葉を贈りながら、次々と首にマラマーを掛けていく。
生花の首飾りがあればキャンディーをつなぎ合せたもの、紙幣をつないで作った首飾りまで登場する。
どの顔も、どの顔も、今日を迎えた喜びに満ち溢れている。

そして、卒業式の夜には島と学校を巻き込んだ大パーティーが夜を徹して催される。
しかもこれで終わりではない。
国に帰る生徒や父兄たちをもてなして、彼らが帰る日まで毎日、毎晩、パーティーは繰り広げられていくのである。

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チューク諸島の人々は典型的な海洋民族である。今も銀河の如くに散らばった大洋の島々に沢山の人たちが住みつき、伝統的な暮らしをしている。
そんな人たちの大事な生活の道具の1つとして、現在も沢山のカヌーが使用されている。
大きな物は外洋を航海する帆走カヌーから、小さな刳り貫きカヌーまで、様々なサイズのカヌーが、今も島人達の生活に大切な役割を果たしている。
島々には今もそんなカヌービルダーが存在し、島人たちの注文に応じている。
今日はその中でも、一番小さなカヌー達をご紹介しよう。

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南の島の代表的な植物にして食べ物、そしておいしい果物。それはバナナです!!
世界中の人たちが食べているバナナ。
バナナはどのようにして実が成っているか、ご存知ですか?
紫の大きなつぼみがぶら下がり、大きな花弁が1枚1枚めくれていく度に、中の雌しべが1房のバナナになります。バナナは1年草。たったの1年でこんなに沢山の実を付けます。
バナナの花は、サラダにして食べれます。南の人たちのもう一つのバナナの食べ方です。
でも、花を食べるとバナナは食べれない!
ニワトリとタマゴ。あなたはどちらを取りますか??

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チュークのローカル市場に行くと、現地食に交じって、マングロープ蟹やイセエビをよく見かける。
マングロープ蟹は島の周りで簡単に獲れるが、イセエビはそう簡単にはいかない。
ところが、貿易風もだんだん弱まって、海が静かになるこれからの半年間は、
市場にもイセエビが頻繁に出回るようになってくる。
GWの真っただ中、日本からのお客様を待ってたかのように、ホテルにもイセエビが大量に入荷した。

丁度この時期、日本からいらしたご夫婦のお誘いで、夕食をご一緒した。
この日はマングロープ蟹が無く、全員でイセエビを注文する。
そして出てきたイセエビは、大皿からはみ出す大きさで、しかも身がいっぱいに詰まっていてぷりぷりしている。瞬く間に、ワインを3本も空け、南の島の新鮮なイセエビを堪能した。
そして翌日、翌々日と、エビ・蟹の大好きなこのご夫婦は、この機を逃してはと、4日連続でイセエビを召し上がったものである。
もちろんそのテーブルでは、私たち夫婦も連日グラスを傾けた。

海の香りに包まれた素敵なレストラン、美味しいイセエビとワイングラス。
楽しい食事に自然と会話が弾む。
ほろ酔い加減で眺める空は満点の星、サザンクロスが南の空に輝いている。

南の島の夕食には、イセエビとワインがよく似合う。

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幼い頃、絵本やマンガの世界によく出てくる熱帯の不思議な果物があった。
ヤツデ状の大きな葉っぱが放射状に延び、さして高くもない木の幹にいつも大きな果物が鈴なりにぶら下がっていた。絵本やマンガの中では、原住民や擬人化されたかわいい動物達がとても美味しそうにこの果物を食べていた。
この形状(実の成り方)がとても不思議で子供心にいつも好奇心を抱いていたものだ。

これがパパイヤだった。
ここチュークにも、たくさんのパパイヤある。小さなものから大きな物、味も様々だ。
さっぱりしたものから、とっても甘いジューシーな物まで沢山の種類のパパイヤが
幼いときに夢見た形のままに、幾つもいくつも幹からぶら下がっている。
大きな物は食べてしまうのに何日もかかる程だ。

今日も我が家には、熟れるのを待った大きなパパイヤがテーブルの上に並び、
ピンクに熟れたパパイヤが、冷蔵庫の中で食べられるのを待ってる。

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