2007年05月

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南の島でも海亀は保護動物で、捕獲時期が規制されている。
5月になり禁も解け、チュークの人達にとっては嬉しい海亀の解禁となった。
これで堂々と海亀獲りが出来ると言う訳だ。
海岸の民家の軒下にひっくり返されて並んでいる海亀達。
逃げていくのを防止するための処置と同時に、『海亀売ります!!』のサインでもある。
チュークの人達のような自給自足に頼る食生活の中では、海亀はとても貴重な食材となっている。
甲羅と骨を除くと捨てるところは無く、大きな海亀はとても重宝な食べ物である。
これからの3ヶ月、民家の軒下に並べられては売られてゆく海亀達の姿があちこちで見受けられる。

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チュークのモエン島にザビエルハイスクールという高校がある。
ミクロネシア各地から集まってきた優秀な生徒達が学ぶミクロネシアの名門校だ。
環礁を一望に見渡すキャンパス内の崖の上に、椰子の葉葺きの小屋が6棟並んでいる。
パラオ、ヤップ、チューク、ポンペイ、マーシャル、コスラエ、の6地域の伝統的な建物で、生徒達の休憩小屋ともなっている。自分達の国の伝統的な建築様式にった則(のっと)った造りで、生徒達の手だけで造られたものだ。毎年、卒業式が近づいてくると、4年生が中心になり全面的な改修工事が始まる。
民族の伝統を受け継ぐザビエル高校の伝統行事の1つでもある。そして今年もまた、5月26日の卒業式を控え、スポーツや勉学の合間を縫ってみんなで小屋造りに精を出している。

日没時は暗雲垂れ込めていた夜空も序々に回復し、7時過ぎには大きな満月が水平線の上に顔を出していた。ザビエル高校にいる息子からの急報を受け、期せずして満月のドライブを楽しむ事となった。
島の東端の高校まで往復30キロ。行きは東に向ってのドライブで、フロントグラスの正面に大きな月が輝いている。ラグーンを煌々と照らす月、椰子の葉陰に見え隠れする月、山の端にかかる月等が入れ替わり立ち代り現われる。カメラを持ってこなかった事が悔やまれる。
帰りは満月の顔こそ拝めなかったが、山の木々を明るく照らし、湖面にキラキラと輝いている様子が月の光の大きさを教えてくれる。夜の道路には島の若者達が湧き出すように溢れて、楽しそうに遊び歩いている。これもまた満月ならではの光景である。

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チューク諸島の主食と言えば何と言ってもパンの実。
普段はフレッシュなパンの実を取ってきて蒸したり潰したりして食べる。
そして古来からのもう一つの食べ方が、古パンモチと呼ばれる粽(ちまき)状にしたものだ。
土中に保存していたパンの実を取り出してドロドロにし、パンの木の葉っぱにに来るんで蒸し焼きにする。この地方の文献や記録を見ていると、ずっと昔から作られていたのがわかる。
殆どが植物の採取に依存するこの地方の食生活にあって、災害や凶作に左右されない優れた保存食でもある。5月5日は端午の節句。チュークに来た頃、5月になるといつもちまきの事を思い出していた。
子供が小さかった頃自分なりに作ってみた事もある。
チュークの古パンモチを見るたびに子供の節句を思い出す。

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