2007年01月

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南の島の漁のかたちにスペアーフィッシングと言うのがある。
素潜りで潜ってモリで魚を獲る、あのやり方である。
チュークの若い男達は、一日中海に潜り、魚やタコや貝、海亀などを獲って来る。
慣れてくると、夜間に水中ライトの明りを頼りに一晩中でも漁をしながら、海の中で過ごす事もある。
彼らは小さいときから海に遊び、遊びの中で糧を得る術を学んできた。
最初は家の近くの海で小さな魚やタコを獲りながら少しずつその技術を学んでいく。
そしてそれは彼らの家族の大事な日々の食糧となる。
大きなタコを獲った時の誇らしげな顔。
たくさん魚を突いた時の嬉しそうな顔。
早くお兄ちゃんたちと一緒にボートで遠くに行って、大物を突きたいなぁ~!!

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10日間に及ぶ釣りのツアーが昨日でやっと終わった。
2組のお客様はいずれもお正月明けにやって来る常連の方達で、
1組はヘビーなジギングでの大物釣り、もう1組はライトジギングでののんびりとした釣りである。
連日、貿易風が吹き荒れるおおじけの状態での10日間だったが、嵐もなんのその、
バケツで海水をぶっかぶるようなおおじけの中での強行釣行であった。
お陰で正月早々、私にとっては連日のハードトレーニングで、格好の運動月間となった。
2組とも釣果もまあまあで、早くも来年の訪問を期しての帰国となった。

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ブログを始めて今日で丁度1年が経った。
南の島の情報を少しでも多くの方達にお知らせしたい、という気持ちでスタートしたブログであったが、ついつい仕事に追われ、更新も滞りがちになってしまう事も度々で、自分としてはイマイチと言う感じの1年間であった。
そして、今日から2年目。
去年1年間の経験を活かして、より充実した『南の島のブログ』に仕立てていきたいと思っている。
この1年間、欠かさず見て頂いた方達や、南の島に興味を抱き、私のブログを閲覧してくださった方達には心から感謝の気持ちをお知らせしたい。
皆様の有言・無言の激励があって初めて、このブログを1年間続けてくる事が出来ました。
本当にありがとうございました。
今日からまた新たな気持ちで、皆さんに南の島の情報をお伝えして行きたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

南国にあそぶ。。。
poco suenaga こと、末永卓幸(すえながたかゆき)

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こぼれるような満天の星空、南の空には南十字星が椰子の葉の間にくっきりとその姿を見せている。
上弦の月が水平線に浮かんで、夜の海をオレンジ色に染めている。幻想的な夜のビーチ。
椰子の葉の間を通ってくる優しい夜風を肌で感じながらグラスを片手に夢の世界に浸る。
・・・・・ここはチューク諸島の南に位置するとある無人島である。
『原始の無人島でキャンプをしたい!』 
そんな単純な発想から始まったこの無人島サバイバルツアー。
自分達で魚を釣り、貝を獲り、イセエビやカニを獲り、食糧を調達する。
その過程がまた楽しい。

参加者は5名。紅一点、今回も女性の参加者があり、男ばかりの無人島生活に華を添えてくれる。
ガイドの私と現地人スタッフ2名の、総勢8人での無人島キャンプだ。出発に先立ちキャンプに必要な物を補充・調達する。ビール・お酒などの飲み物。これがなくては夜の楽しみが半減する。釣具の補充。これが大きな威力を発揮する。ちょっとした道具だが、食糧調達には欠かせないものだ。
ホテルでの1夜が明ければいよいよ出発である。まだ見ぬ無人島への思いを胸にボートに乗り込む。広大なトラック環礁をボートが疾走してゆく。何度乗っても気持ちがいい。みんなの顔も笑顔で緩みっぱなしだ。ましてや今から3日間の無人島生活が待っている。

途中のアウトリーフで釣り大会を行う。この釣りは毎度恒例のお祭りみたいなものであるが、キャンプを張る前のメンバーの親睦とその日の食糧調達を兼ねたとても重要な催しでもある。
早速、釣り大会がスタートした。
女性の参加者がある場合は、すべて私が面倒を見る事になっている。
今回も私が女性隊員の釣りの手ほどきをする。糸を垂れると同時に彼女の竿がしなる。
男達の悔しそうな顔を尻目に、次々と魚を釣り上げてゆく。
しかも今宵の宴会を考えたような高級魚ばかりである。彼女の賑やかな笑い声とみんなの囃し立てる声が明るい海にこだまする。そのうちに男達の竿にも次から次へとあたりが出始めた。現地スタッフが忙しくボートの中を走り回る。あっと言う間にクーラーボックスが満杯となってしまった。
自然と笑いがこみ上げてくる。今夜のおかずはすでに確保して、誰の顔も底抜けに明るい。
午後の楽しいひと時を過して、さあ、いよいよキャンプ地の無人島に出発だ。

3時前、無人島に上陸。荷物を運び終え、ボートはモエン島に帰ってゆく。これからの3日間は我々だけの無人島となる。みんな思い思いの場所にテントを張る。この3日間の我が家と言うわけだ。
私達もベースキャンプの設営を行う。キャンパスシートで屋根を覆い、もう一枚をグランドシートに敷いただけの簡単なものである。食事や宴会の場所には、新鮮な椰子の葉っぱを一面に敷き詰めて、椅子代わりに浜から大きな流木を担いでくる。これで立派な宴会場の出来上がりだ。

さんご礁の海をのんびりと泳ぐ者、今夜の宴会用にと獲物を探しに行く者、椰子の木陰で読書をする者。夕食までのひと時を、思い思いに過す。
その間に我々スタッフは、薪を集めたり、夕食の準備にと余念がない。男性隊員が手に手に獲物を持って嬉しそうに海から上がってくる。シャコ貝、ラクダ貝、クモ貝、、、と、どれも酒の肴にピッタシだ。

大きな夕陽が水平線に落ちる頃、楽しい無人島の宴(うたげ)が始まる。尾頭付きの魚の塩焼き、カスミアジや貝の刺身、貝の煮物、ハタのスープ・・・。全てが今日自分達で獲ったものばかりである。素朴だが日本では決して口には出来ない新鮮な味わいと旨さ。昼間のほてった体に椰子の夜風が心地良い。冷えたビールと南国のカクテルが居る者を天国へと誘う。
満天の星空に水平線を照らす月の明かり。聞こえてくるのは、椰子の葉のそよぎと、夜のビーチを優しく洗う波のささやきだけ・・・。 赤く燃える焚き火が、残り2日間の夢の世界を照らし出す。
天国に集う者達の心の言葉が夜の無人島にしみわたる。

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『ココナッツ』、椰子の実の事をそう呼んでいる。
椰子の木がココヤシで、その実をココナッツ(又はココナツ)と言う。
椰子の学名をCocosと言い、これはポルトガル語のCocoから来ている。
Coco・ココとは、ポルトガル語でサル(猿)の事である。
ヤシの実を剥くと、中から硬い殻が出てくる。
この殻の発芽部分の形状が猿の顔に似ているところからこの名が付けられた。
まさに、サルや人の顔を連想するではないか。
眼の下の口に当たるところが柔らかく、ここから発芽する。
よく椰子の実にストローを刺して飲んでいるのは、この口の部分に穴を開けて挿し込んでいるのである。
サルの口にストローを挿して椰子の実のジュースを飲む・・・。
ロマンシックな椰子の木の事を思うと、チョットイタダケナイ連想ではある。。。
ココは1つご勘弁を!!<m(__)m>

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チューク環礁は周囲が200KM以上もある。神奈川県の面積に匹敵する程の大環礁だ。
大洋上に忽然と突き出たその環礁は、外洋を航海する船舶にとってはとても厄介な存在である。そんなわけでこの環礁の外洋に面したリーフ上には現在6隻ほどの座礁船がある。いずれも戦後のもので私が来た30年前には、その大半がすでに環礁に打ちあがっていた。今では朽ちて原型を留めないものもある。
そして今年、新年の気分も抜けやらぬ時、新たな船舶が座礁船の仲間入りをした。
この船が座礁したのは幽霊船だったからだ。船には誰も乗っていなかった。時おりしも貿易風の吹き荒れる夜、投錨していたモエン島東端から漂流して、あっという間に50km近くも離れたアウトリーフに乗り上げてしまったのである。しかもこの船には、離島の学校建設のための様々な建築資材が満載されていた。大量のセメント、数百枚のベニヤ板・角材・鉄筋や釘の類、発電機などの機械類、等々。。。
現地人にとっては正に宝船だ。私が目撃したのは座礁から数日後であったが、案の定、すでに現地人のボートが来て積荷を物色していた様子だった。船主と関係者の事を思うと正月気分も吹っ飛んでしまった。

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チューク環礁には80島程の無人島がある。なかでも大きな無人島には持ち主達が作った簡素な出小屋が幾つか用意されていて、学校が休みの時などに家族揃って生活している場合がよくある。
今日、釣りの途中に立ち寄った無人島もその1つで、クリスマスと新年をこの島で迎えたと言う7~8人の家族が住んでいた。犬、ニワトリ、豚も一緒で、浜辺の椰子の木には投網や刺し網なども吊るしてある。
この島は長さ1Km程の大きな島で、島の中には井戸もあり、椰子の木はもちろんの事、タロイモ、パンの木、バナナまで植えていて生活にはほとんど困らない。
島にいる間に、魚やタコの干物、貝の塩辛などを沢山作って本島に持ち帰る。
そしてここではその塩もまた自分達で作る。
本物の自給自足の生活がここにはある。

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南の島にいながら、今年になってまだ刺身を食べていなかった事にハタと気が付いた。
今日こそはキハダマグロを釣り上げて何が何でも刺身を食べるぞぉ~、と、相変わらずのオオシケの海に繰り出した。格好のトリヤマ(ナブラ)を見つけ早速ジグを投入。何度かヒットはするがなかなか顔を見せてはくれない。結局このナブラではメーターオバーのシイラを2本上げただけでお昼にした。
その後もイソマグロは釣れるがキハダマグロがなかなか上がってこない。こういう美味しい魚は、サメもよーく知っていて、ひとたびヒットしようものなら、たちまち食いついて、上がってくるのは頭だけ。
最悪の場合は、頭もぜーんぶ食べちゃって、挙句の果てにルアーにも食いつき、最後にはサメとの格闘になってしまう。今日もそのパターンで、せっかくの我々のお正月の刺身も全てやつらに横取りされてしまった。しかし、今日と言う今日はなんとしても刺身が食べたくて、結局今年の正月の刺身は『カッポレ』と言う事になってしまった。美味しかったけど、何かスッキリしない! 
サメの野郎~~~~~!!!!

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