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チュークの伝統的なダンスのメッカとして前号でご紹介したチューク諸島のポンナップ島。
ヤップとの国境にある周囲3キロ程の絶海の孤島だ。
その登録人口は1200人だが、多くが島の外で暮らしており、常時ポンンアップ島に居るのは400人程。
アメリカ本土やハワイ、グアムへの出稼ぎ、そしてこのモエン島にも400人程が暮らしている。

モエン島の北側に彼らのちょっとした集落がある。
私とポンナップ島の人達とは30年以上も前から親交を温めてきた。
伝統ダンスの手配、学術調査、TV取材などを通して親友も多く島の古老から若者に至るまで、和気あいあいとした関係が続いている。

先週もちょっと用事がありその集落を訪ねた。
いつもの広場に人だかりがしている。
みんなが見つめているのは1匹の解体されたウミガメだ。
バナナの葉っぱを広げた上に、小さく切り分けられたウミガメの肉や臓物などが並べられ、一人一人に分け与えられている。

この集落には12軒の家がある。
家族構成はマチマチで、夫婦2人だけの家もあれば、10人以上の大家族もある。
赤ちゃんもいれば大人もいる。
しかし、構成員はすべてポンナップ島の人達。
そこには身分や差別は存在しない。
先生も村長も赤ちゃんも、1人は1人だ。
細かく切り分けられたウミガメの肉は、一軒一軒、人数割に均等に分けられていく。

外国の先進文化を呈受しながらも彼らは島の伝統文化を島民一丸となって守り続けている。
ここには、本当の基本的人権が生きている。