2006年12月

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よりによってこのクリスマスの日にアメリカのクルーズ客船を迎え、朝からてんてこ舞いの一日だった。
乗客のほとんどがお年寄りで、しかも、ボートに乗り移るのも大変、といった方達も少なくない。
見た目にはのんびりと船旅を楽しむと言った感じの方達である。ころがツアーが始まると、実際はその反対で、若い人顔負けで次々とツアーをこなしていく。ダイビング、スノーケリング、島巡りにと、驚くほど精力的に動き回り、雨も嵐もヘッチャラで、与えられた1日を分刻みのスケジュールでこなしていった。 戦争だって休戦になるというこの日・・・、こちらは今年最後の仕上げとばかりに、朝早くから夜中まで仕事に追われ・没頭し、挙句の果ては、これもまた今年最後の仕上げとばかりに、しばらくはご無沙汰だった持病の腹痛までを招いてしまい、クリスマスのご馳走にも、クリスマスのケーキにも美酒にもありつけず、なんとも空しい・慌(あわただ)しいクリスマスであった。

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島の住人のほとんどがキリスト教徒というここチューク地方では、クリスマスは1年中で最も大きな、そして重要な行事である。12月に入ると同時に島のあちこちにはクリスマスのイルミネーションが輝き、モエン島の港には離島からのボートがひしめき、ストアーは連日買い物客でごった返す。
クリスマスがだんだん近づいてくると、モエン島に来る人達だけでなく、遠く離れた離島に帰る人達で港はいつも人と荷物で溢れている。夜ともなれば島のあちこちでクリスマスパーティーが開れる。ご馳走を食べ、プレゼントを交換しあい、歌や踊りにと夜の更けるのも忘れて遊び興じている。
そして、今日25日のクリスマス。島のあらゆる機関、ビジネス・ストアーなどはすべて休業となり、信者達で溢れている教会を除けば、ダウンタウンは閑散としたものである。
このような南の島で繰り広げられるクリスマス狂想曲は、彼らの社会と生活に密着したとても大事な行事なのである。

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先週末、ザビエル高校の運動会が行なわれた。
薄雲が灼熱の太陽をさえぎり、そよ風の吹く中での、格好のスポーツ日和となった。
1年生から4年生までの全校生徒150名と、父兄・先生も参加して、生徒2組、大人1組の3チームでの戦いである。この日は幸いにツアーの仕事も無く、妻と2人、弁当持参で朝から運動会見物に出かけた。
炎天下のマラソン、短距離、中距離、リレー、と過酷なゲームの合間には、椰子の葉のバスケット編みや
激辛ラーメンの早食い競争、水無しのドーナツの早食い競争、グルグルと眼が回る回転競争など、面白いゲームも盛りだくさんで、久し振りに楽しい一日だった。
我が息子・ヒロミも1年生ながら、800mに参加して、先輩達を尻目に見事1着でテープを切った。
そして私も日頃の運動不足解消にと、綱引きやリレーなどにも参加して、久々にエネルギー全快の一日となった。翌日、筋肉痛に悩まされたのは言うまでもない!! まだまだ鍛錬が足りないようだ!

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終戦から早くも60年が過ぎた。戦争で父を亡くした遺族の方達も60歳を過ぎ、精神的にも経済的にもゆとりを得て、ここ数年、父の慰霊にやってくる方達が多い。個人の慰霊から、各種団体、遺族会、厚生省(政府)の慰霊団と様々である。そんな慰霊行や慰霊祭の毎に、読経を聞き、慰霊のお言葉を耳にし、一緒に涙する事が多い。
 今年も様々な慰霊のツアーがあり、そして最後を締めくくる如くに、高僧達による慰霊法要が厳かに執り行われた。総勢22名、真言宗の高僧達によるチューク環礁内の島々・海上、10箇所にも及ぶ、戦没者の為の慰霊法要が行われたのである。
そして、チューク最初の慰霊法要が始まり、高僧達の読経が流れ出した時、その雰囲気に唖然とした。
普段は重々しい雰囲気の中で、涙・涙の読経しか知らなかった私の耳に聞こえてきた読経の調べは、とても軽快で清々しいものであった。話しかけた一人の僧侶が私に耳打ちして教えてくれた。
『「声明・しょうみょう」と言います』『唄の原点です』
私が聞いたのは『真言声明』で、今回慰霊法要を執り行っている僧侶達はいずれも真言宗の由緒あるお寺の住職達である。そんな高僧達による『声明・しょうみょう』だったのである。
その後の法要の度に私はその美しい調べに聞きほれていた。
高僧達の凛々しくも優しい調べがジャングルに染み渡り、海原を流れてゆく・・・。
地獄のような苦しみの中で亡くなって行った、戦没者の方達の魂にもきっと届いたにちがいない。。。

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今年最後の満月は、残念ながら眼にする事が出来そうにもない。
昨夜来の激しい嵐の名残りで、今夜まで、太陽も、星も、そして今年最後の満月も、厚い雨雲に阻まれて全く顔を出してはくれない。せっかくいらしたお客様も、今日のボートツアーはキャンセルで、明日の好天を祈っているところである。
今年も余すところあと1ヶ月あまり、年も押し迫って、日本は何かと慌しい事ではないかと思うが、ここ南の島はまだまだのんびりとしたものだ。
それでも、ダウンタウンの商店やホテル、民家の中には、早くもクリスマスの飾り付けをするところも出てきて、万事にスローな南の島にも、少づつ年の瀬を感じるようになってきた。
クリスマスから新年を迎える頃には、だんだんと大きくなっていく月の姿が見れるだろう。
夢と希望に満ちた新年の満月を期待している。

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